#56 お笑いの賞レースに挑む理由と、テレビとの心地よい距離感

Update:
2025.08.04

蓮見翔 ダウ90000主宰・脚本家

Update:
2025.08.04

コント・演劇ユニット「ダウ90000」主宰、脚本家、演出家。1997年4月8日、東京都東久留米市生まれ。東京都立井草高等学校を経て、日本大学芸術学部映画学科卒業。大学在学中の2017年に前身グループ「はりねずみのパジャマ」を結成。2020年9月、現在の8人組「ダウ90000」を旗揚げ、すべての脚本・演出を手がける。第66・68回の岸田國士戯曲賞最終候補選出など演劇界でも高い評価を獲得。2023年にはForbes JAPAN 30 UNDER 30のENTERTAINMENT&SPORTS部門を受賞する他、2024年公開「AT THE BENCH」(奥山由之監督)では第2編で脚本を担当し注目を集める。2025年第7回演劇公演「ロマンス」では初めて全国4都市(東京・大阪・金沢・福岡)を回るツアーを開催。

収録レポート

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今回は番組7人目のゲストとして、コント・演劇ユニット「ダウ90000」主宰で、脚本家・演出家の蓮見翔さんをお招きして録音された、#56収録の様子をご紹介します。

前回は林さんの生態3回目の対談となった#56は、賞レースのお話から始まります。改めてダウ90000といえば、コントと演劇どちらの活動も行っていますが、だからこそ両方で結果を出したいという蓮見さん。岸田國士戯曲賞の受賞と、キングオブコントの決勝進出を目指していると教えてくれました。

 

また、キングオブコントの予選の話から、審査する側の難しさについての話題となります。ギャグマンガの新人募集企画『赤塚賞』の審査や、2.5次元・ミュージカルのオーディションサイドとして参加した経験のある林さんいわく、人の本気を浴び続けるのは非常に疲れることだとか。

 

さらに、こういったお笑いや賞レースを取り巻く環境って漫画にできるのでは?と林さん。お笑いを漫画にするとなると、会話のテンポをどうコマに落とし込むのかといった課題や、そもそも作中に面白いネタを用意し続けなければいけない難しさがあります。特にコントにおいてはネタ中に自らの人間性を出せないというジレンマも。全てを解決した林さん編集のコント師漫画、いつか見られるかもしれません…!

同じ振る舞いをしても、嫌われる人は嫌われるし、愛される人は愛される問題。どうやら林さんと蓮見さんは、本人たちの体感では嫌われる側とのこと。林さんは「油断すると嫌われる」、蓮見さんは「テレビに出ている自分が嫌な奴すぎて引くことがある」とまで言います。

 

テレビの世界ではパフォーマンスとして、悪口のようなやり取りをすることもあり、最近はとにかく自分が思ったことを言い続けておこうという蓮見さん。最近は蓮見さんのイメージが定着してきたこともあり、徐々に受け入れられてきている感覚があるそうですが、過去にはやりづらさを感じた期間もあったようです。

 

林さんは生放送番組に出演した際、「会話のボールを奪い合うゲーム」だと感じたそうで、用意してきた話に繋げたい出演者たちに驚く瞬間がたくさんあったとか。特に生放送で自分が喋ることのできる時間が限られている番組などで、そういった展開になっていることを何度も目にしたことがあります。

就職や転職の面接でも喋ることを決めてくる人が多いそうで、質問していない部分から無理に繋げられると、コミュニケーションとして成立していないのが嫌だと思ってしまうと林さん。準備してきた時点でハードルが上がってしまうから、その場で60点取る術を身につけるべきだと、サラッと金言も残して頂きました。

 

蓮見さんは、地位や関係性の都合で抗えない、甘やかされる位置にいる人の喋り方がすごく苦手と語ります。例えば自動車教習所において、教官は絶対であり、その人の教え方が明らかに悪くても絶対に抗えません。林さんも同意見のようで、偉い人でも面白くないときは真顔でいようと決めているとか。

 

どうしても受け入れていないぞ、というスタンスが顔に出てしまうという林さん。一方で蓮見さんは露骨に喋らなくなってしまうとのことで、話題はダウ90000における稽古場での雰囲気についてへと移っていきます。

稽古場の雰囲気は、どうしても主宰である蓮見さんにかかっているとのこと。例えばメンバーがあまりにもセリフを覚えてこなかった場合、蓮見さんの気分が悪くなってしまうと、全体の雰囲気が落ちてしまうそうです。

 

また、考え事をしている10分の間黙っていた結果、不機嫌だと勘違いされたこともあるそうで、そこから更にイライラが増すという負のスパイラルに陥ってしまうことも。ただし、その雰囲気から稽古に戻す役割も蓮見さんらしく、「誰か脱しろや!」と毎回思っているとのこと。蓮見さんの苦労が伺えるエピソードでした。

 

ラジオを始めたことによる怒らなさの新機軸のお話になったところで、今回はお時間に。次回はダウ90000以外での蓮見さんの活動から、共通の知人・友人関係、SNSの使い方に至るまで、収録1回目最後の回として盛り上がります。

 

ぜひ番組とこのホームページでお楽しみください。