#64 会社を辞めてわかったこと
- Update:
- 2025.09.29

佐久間宣行 テレビプロデューサー


- Update:
- 2025.09.29
1975年生まれ。福島県いわき市出身。 テレビ東京のプロデューサーとして「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」「ウレロ☆シリーズ」「キングちゃん」などを制作。2019年4月からラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」を担当。 2021年3月末にテレビ東京を退社しフリーに。Netflix「トークサバイバー」「罵倒村」「デスキスゲーム」 「LIGHTHOUSE」DMMTV「インシデンツ」YouTube「NobrockTV」「BSノブロック」は総登録者300万人。 著作に「佐久間宣行のずるい仕事術」「ごきげんになる技術」など。レギュラー番組「勝手にテレ東批評」

イナズマフラッシュの収録レポートをお届けする本ページ。
今回は番組8人目のゲストとして、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんをお招きして録音された、#64収録の様子をご紹介します。
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テレビ東京のプロデューサーとして『ゴッドタン』『ピラメキーノ』『あちこちオードリー』など、数々の人気番組を手掛けられた佐久間さん。2021年に独立された後は、Netflix『LIGHTHOUSE』『罵倒村』『デスキスゲーム』やYouTube『NobrockTV』『BSノブロック』など、様々な分野に活躍の場を拡げられています。
イベントや取材で何度か顔を合わせたことはあるものの、仕事以外で会ったことはないという2人。林さんはプライベートで話したいと思っていたそうですが、結局は仕事での対面となりました。一方、佐久間さんは本当に人と会わないそうで、仕事相手やお笑い芸人さんとも食事に行かないタイプ。
佐久間さんが演者さんとプライベートの交流を持たない理由については、仲良くなりすぎることによって、演者に負荷をかける企画や、つまらないと思った箇所の編集において、ディレクターとしての判断に影響が出てしまうのではないかという懸念があるからとのことでした。
また、佐久間さんの代表的な企画、『キス我慢選手権』や『マジ歌選手権』は、その挑戦的な内容から、仲良くなり過ぎると反対されることもあるとか。そのために、ある程度の緊張感がある距離を保った方が、スムーズに仕事が進められると語ります。
続いて、話題は佐久間さんがテレビ東京を退職した経緯について。昨今テレビ局やラジオ局、出版社など大きなメディアから独立されるクリエイターが増えていますが、佐久間さんはその先駆けとも言える存在。
退職した理由としては大きく2つで、1つは昇進しそうだったから。日本企業では基本的に昇進すると、現場の仕事は減り、管理の仕事の比重が大きくなってしまいます。もう1つは、当時のテレビ東京は副業が禁止されていたということ。そのルールにより、幾つかの大型案件を断り続けていた、という部分も独立を後押ししたキッカケに。
また、後輩から怒られたというエピソードも。番組が続いていく中で、映画の脚本や監督も務めた佐久間さんでしたが、あくまで会社員としての仕事であり、別で報酬は発生しません。しかし、テレビ局の社員が放送外収入のために、映画を作っても見返りが無いというのは後輩の立場からすると、どうにかして欲しいポイントだったようです。
なお、現在は副業が解禁されていたり、現場に居ながら昇進できる新しい制度ができたりなど、佐久間さんが退職したことはかなり大きなインパクトとして業界に影響を与えたことが分かるエピソードでした。
番組後半、若手の感覚やエッセンスをなにから吸収しているのか、という林さんの質問に「ダントツ娘です」と即答する佐久間さん。イナフラのリスナーの方々ならご存知かもしれませんが、佐久間さんと娘さんは非常に仲が良いことで知られており、2人でライブやイベントに出かけることもあるほどだとか。
佐久間さんが手がけた、『ピラメキーノ』や『ウレロ☆未確認少女』はタイミング的にちょうど娘さん世代がターゲットとなっており、ある種喜ばれたくて作った側面もある、というほっこりしたエピソードも頂きました。
いま、自分の企画に出てもらう演者さんのジャッジはどのようにしているのか、という林さんからの問いに佐久間さんは、自分の道を切り開いている人を捕まえたくなると答えます。賞レースなどでの活躍はもちろんですが、小さくても自分の城を持ち始めた人のほうが面白く、また事務所の意向などに縛られづらいというポイントもあるそう。
新人発掘には、YoutubeやADからの口コミが利用されやすいとのことですが、『ゴッドタン』の名物企画である「この若手知ってんのか!?」という企画では、若手芸人にアンケートを取り、同業者である芸人が選ぶ候補を洗い出し、さらにオーディションにつなげる手法を採用したとか。
敬称略とさせていただきますが、三四郎、ランジャタイ、モグライダー、令和ロマン、イグジット、ティモンディ、宮下草薙…などなど、後にお茶の間の人気者となった顔ぶれが多く挙がり、ピックアップの精度と佐久間さんの慧眼が印象的な一幕でした。
次回は改めて佐久間さんのキャリアを振り返りながら、テレビ局のディレクター・プロデューサーという役割、生存戦略や求められる能力について話していきます。
ぜひ番組とこのホームページでお楽しみください。