#79 林士平の迷いをTaiTanと考える
- Update:
- 2026.02.23
TaiTan ラッパー


- Update:
- 2026.02.23
1993年生まれ。「Dos Monos」のラッパー。クリエイティブディレクターとしても活動し、¥0の雑誌「magazineⅱ」やテレビ東京停波帯ジャック番組「蓋」、音を出さなければ全商品盗めるショップ「盗」、Shureとのスニーカー「IGNITE the Podcasters」のほか、ロッテのウェルネスブランド「THE DAY」なども手がける。ポッドキャスト番組「奇奇怪怪」やTBSラジオ「脳盗」ではパーソナリティもつとめる。
イナズマフラッシュの収録レポートをお届けする本ページ。
今回は番組9人目のゲストとして、ラッパーでクリエイティブディレクターのTaiTanさんをお招きして録音された、#79収録の様子をご紹介します。

林さんがコミュニティを作るとしたら、どんなものが良いかという問いからスタートします。前回#78でも話題にあがったXのフォロワーのように、一度フォロワーが付くと資本が資本を生むような構造になっている現代社会。そんな話になりつつも、増えたフォロワーが本当に自分の仕事を追ってくれるのかは別という、現実的な問題もあります。
そこで濃度を上げるための場として機能してくるのがコミュニティ。林さんの理想は、自分が真ん中に立ち続けるより、テーマを置いて、そこに自分も参加しつつ自然に盛り上がっていく形。漫画に限らず、映画・小説・ドラマ・アニメなど……エンタメ全体を語れる場があったら、という話に広がっていきます。

エンタメを語る際に、気の利いたコメントが出ると皆が「この意見は大丈夫だ」と学習して、それを言い換えたようなコメントばかりになっているとTaiTanさん。もはや最新作品を観ているというより、流行に追従する権利を買っているような感覚。もっと古典や自分の好きな作品を語る場所があっても良いのではないかというお話に。
例えば、TaiTanさんが最近観た面白かった映像作品は、2003年から2004年に放映されたドラマ『白い巨塔』。2026年に『白い巨塔』が社会現象になることは無いかもしれませんが、いま自分はこれを語りたいという強い熱がある人たちの受け皿として、それこそコミュニティのようなものがあっても良いのかもしれません。
オンライン上での誹謗中傷やトラブルなども増えてきた現代だからこそ、読書会や視聴会など、様々な形態で人々がコミュニティを形成し始めているのでしょう。

最近の潮流だとAIも避けられないトピック。例えば、多くのインプレッションを集めるSNS上のテキストの多くはAIを使っていると思われるものも多く、本質的に意味を失っている現状があります。
褒めてから最後に指摘するような、いわゆる型のあるコミュニケーションに意味はなく、その先も無いのではないかという議論に。もはやもっともらしさに意味はなく、重視されるのはブランド。人間らしさや、なぜ人間を愛おしいと思うのかを理解することがブランドづくりには重要になってきます。
一方で林さんは大衆が分からないと言います。世界中で多くの人に愛される作品に関わり続けている林さんですら、分からない感覚。もし「大衆を動かす方法」や「マーケティングの極意」と言われる情報があったら、疑ってかかったほうが良いかもしれません。
しかも漫画というアウトプットは、同じ絵を描ける人はこの世におらず、また似たような物語をやっても時代は移り変わっている、という常に新しい挑戦が求められるコンテンツ。悩み続けながらも走り続ける林さんの姿は非常に魅力的に見えました。

話題は二人がそれぞれ経営している会社の展望についてへ。売上が伸びたからと言って、50人100人の会社を目指したいわけではなく、規模の大きいことをやりたいのであれば大きな会社に居たほうが良い。だからといって、数人では仕事が回っていかないという二律背反な状況。
やりたい仕事に必要な人員を確保するために、やりたくない仕事に取り組まなければいけないというのは、確かに矛盾を感じます。大きな組織から独立するクリエイターも増えてきた昨今、エンタメコミュニティよりも先に、エンタメに関わる中小企業の互助会が必要なのかもしれません。
互助会の再発明に至ったところで今回はお時間に。次回は再びメールを紹介しながら、再びAIに関する話題や、実際の人間の身体感覚など、更に深いところまで掘り下げてお送りします。
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