#01 津田健次郎さん対談まとめ

Update:
2024.09.01

対談まとめ レポート

Update:
2024.09.01

このページでは、各ゲストと林士平さんの対談の内容を、トピックごとにまとめて掲載しています。全8回の対談終了後、二人が話してきた内容や話題に上がった作品を振り返りながら、トップランナーの脳内を覗き見しましょう!

収録レポート

今回はイナズマフラッシュ収録レポート特別編!

ゲスト声優・俳優の津田健次郎さんでお届けした、全8回をトピックごとに振り返っていきます。

 

  • 出会いと関係性

 

漫画編集者と声優・俳優。

津田さんと林さんは元々知り合いではありました。といっても会話を交わすのはスタジオかイベントのみ。

 

共通の知人も多く、いつか飲みに行きたいね〜と話していたはいたものの、多忙がゆえなかなか叶わず。

じゃあPodcastで喋っちゃえばいいじゃん!というのがキャスティングの発端。

 

実際に収録が始まってみると、非常に相性の良い二人で、それぞれがそれぞれを引き出し合う展開となっていきました。

 

  • 二人のルーツ

 

林さんは生まれも育ちも日本ながら、ご両親が台湾国籍を持ち、自身は30歳時点で日本国籍を取得しています。その前はビザの関係で空港で止められたり、国境で入国できなかったりと、辛い経験をしてきました。

「国境なんて大嫌い」そんな林さんの言葉は、もしかしたら自分の作るコンテンツが国境を超えて愛されていることと関係があるのかもしれません。

 

漫画編集者になったきっかけはシンプルに就活だった林さんでしたが、漫画編集者としてのキャリアを重ねその漫画編集者としてのセンスとスキル、そして大きなコンテンツへの愛を蓄えていきました。

 

一方で津田さんは、1歳から小学校2年生までインドネシアはジャカルタで生活。たまに仮面ライダーの出張映画が来る程度で、日本からVHSを送ってもらってコンテンツを観ていたそう。

なんとなく日本に母国感覚も無く、だからといってインドネシアを母国だと感じられる時期には住んでいない。そんなとき、津田さんが見つけた居場所が映画館でした。

 

物語に集中して没頭できる感覚。

津田さんが選んだ道は物語の一部。舞台俳優から、声優・俳優と活動の幅を広げていきました。芝居を始めてから、表現の自由さや感情を爆発させることにのめり込んでいったのです。

 

一般的なインタビューや取材では語られない、二人の深いバックボーンについて語って頂きました。

  • 名前の上がったコンテンツたち

 

クリエイティブ界の最先端をひた走る二人。

ここでは番組のなかでお二人の口から登場した、コンテンツの幾つか振り返りながら、お二人の脳内を覗き見していきます。

 

・アニメ『遊☆戯☆王』

 

津田さんがジャンプ作品の中で、初めてしっかりと関わった作品が『遊☆戯☆王』。

 

海馬瀬人(cv津田健次郎)の「滅びの爆裂疾風弾(バーストストリーム)!!」は、世代によっては必ず伝わる必殺技。もちろん僕も子ども時代に真似しました。

 

関係者がドンドン出世していったという裏話も本編では語られました。改めて林さんと津田さんが、「近いところに居たけど、なんとなく深くは知り合っていなかった仲」だったのが良く分かるエピソードでもありました。

 

・映画『ルックバック』

 

藤本タツキ先生による読み切り漫画『ルックバック』。もちろん編集者は林士平です。ちょうど対談期間中に劇場版が公開されたタイミングでした。

 

林さんが「幸運なアニメーション」と称した一流のクリエイター同士が集合し、手を取り合った作品が映画『ルックバック』。大きく話題になったからこそ、制作には多くの人の情熱と非常に丁寧な仕事が注ぎ込まれました。

 

プロモーションをしないという選択や上映館の増加方法など、いわゆるビジネスっぽい展開は全くしないその姿勢。内容がそもそも大好きだった津田さんは、その上映に至る姿勢にも痛く感動されていました。

 

・映画『ゴジラ-1.0』

 

第96回アカデミー賞 視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』。

大きな予算規模が並ぶアカデミー賞ラインナップの中で、異彩を放つ作品でもありました。

 

ハリウッド作品の制作費の高騰やショート動画の到来により、リッチになり過ぎた世界のコンテンツは変革期を迎えるタイミングかもしれないという話も上がりました。

 

物語至上主義の終焉。ストーリーやキャラクターだけではなく、空気感や世界観とキャラクターを楽しむコンテンツが評価される時代が到来するのかもしれません。そこに対して日本の原風景やローカルな空気感が伝わっていけば、更にコンテンツの世界で評価される…?

 

  • 漫画・アニメーションの可能性

 

津田さんは年末年始にヨーロッパに旅行に行ったところ、5組もの外国人に声をかけられたそうです。しかも全員顔バレだったというのがすごい話でした。理由は『呪術廻戦』。津田さんは七海建人 役を務めています。

 

アニメや作品の内容・キャラクターだけでなく、その背景やキャストまで世界に広がっているというのが凄いポイント。SNSや動画サイトによって、より広く詳細に波及していったのでしょうか。アニメーションの世界だけでなく、日本の細かいモノづくりなどが世界に広がっていく機会は増えている気がします。

 

また、林さんも漫画編集者として世界に向けて漫画を配信しています。世界のどの地域でどの作品が、公開されてからどのくらいの時間で読まれているのかが、一瞬で分かってしまう時代。

 

特に「漫画」は日本独自の文化であり、海外のcomicとは読み方から違うのです。そこに対しての姿勢としては、「海外の人に覚えて貰う」でした。あくまで海外に日本独自の「漫画」を届けていく姿勢こそ、世界で評価されている理由なんだと感じます。

  • 二人の展望

 

各エピソードでは、少しずつ二人の今後の展望が語られました。

 

林さんは直近#08でも話された、「MANGA APARTMENT VUY(マンガアパートメント ヴイ)」が大きいでしょうか。全国を回って、若手漫画家をひとつのマンションで育成していく大規模プロジェクト。これまで数々のヒット作を生んできた林さんが、次の5年、10年を見据えて始めたものになります。

 

常に多くの担当作家を抱えて、編集者としてクオリティを担保しながら連載を続け、若手漫画家の育成や読み切り作品のチェックなどを同時進行で進めている林さん。

 

様々な事情で漫画家になりたいけど、上手く時間が取れなかったり、環境的に難しかったりする人のためのプロジェクト。改めて漫画界全体に貢献していきたいという林さんの想いを感じます。

 

津田さんには役者として、芝居というものを極めていきたいという想いがありました。「達人の領域」と表現されていましたが、声優・俳優として幅広く芝居・表現に挑み続けている津田さんは、既にその領域に足を踏み入れているのかもしれません。

 

その一方で、映画製作への熱意も覗かせていました。元々は映画監督がやりたかった津田さん。たくさんのキャリアと時間を経て、人生はあっという間だ!という気付きの元、今は映画製作に向けて様々な仕込みをしているようです。

 

アニメ『極主夫道』では主人公・龍の声を務めた津田さん。コミック実写PV『極主夫道』では、アニメ版で声優を務めた津田さんが監督・主演を担当するという展開も。この展開は津田さん以外に出来た人は居ないでしょう。

 

アニメ、映画、実写ドラマ、ナレーション…。様々な経験を積んだ津田さんですが、実は10年以上温めているプロットがあるという発言も飛び出しました。

舞台俳優から始まったキャリア、俳優と声優の両立、海外のルーツなど、津田さんにしか出来ない表現活動がこれからも楽しみでなりません!

 

  • 林さんのポッドキャスターとしての成長にも期待!

 

#00での最速呼び込みに続き、オープニングでもエンディングでも頻繁に登場する石井P。

林さんはどうしても一人喋りが難しいらしく、台本の文字を一文字でも読むとカチカチになってしまうのです。

普段の流暢すぎる喋りとのギャップは、スタッフの間でも話題となっており、先日石井さんが話していた論が「普段人と喋るか、自分で喋るか」というものでした。

 

一人喋りに向いている人は、普段から自問自答を繰り返していたり、散歩で考え事をするのが好きだったりする人が多いそう。

 

林さんは活動しはじめたら常に誰かと喋りっぱなし。そう!『誰かと』なのです。

漫画編集者として、普段から作家さんとコミュニケーションを取り続けている林さんだからこそ、一人喋りがどうしても出来ないのかもしれません。

 

対談番組ですから、基本的には豪華ゲストを楽しみにお待ち頂ければと思うのですが、林さんのポッドキャスターとしての成長もぜひチェックしていってくださいね。

 

今回は簡易的にですが、ゲスト声優・俳優の津田健次郎さんでお届けした、全8回をトピックごとに振り返っていきました。

 

印象的だったのは、二人から漏れ出してくるクリエイティブへの危機感と、コンテンツへの愛でした。

 

和やかな雑談や、最近の仕事の話などを経るものの、最終的にたどり着くのはクリエイティブ業界の現状や働き方、そしてコンテンツの話をする時の声のトーンの上がり方。

 

お二人共トップランナーとして、コンテンツを作り続けているからこそ見えている不満や危機感。今後それを昇華してまた突き進んでいかれるのでしょう。

 

改めて、仕事やバックボーンなど様々な面で共通点もあり、相性の良い盛り上がる二人の対談となりました。

 

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