#71 佐久間宣行が考える漫画家オーディション企画と 東京ドームで1人しゃべりの夢

Update:
2025.11.17

佐久間宣行 テレビプロデューサー

Update:
2025.11.17

1975年生まれ。福島県いわき市出身。 テレビ東京のプロデューサーとして「ゴッドタン」「あちこちオードリー」「ピラメキーノ」「ウレロ☆シリーズ」「キングちゃん」などを制作。2019年4月からラジオ「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」を担当。 2021年3月末にテレビ東京を退社しフリーに。Netflix「トークサバイバー」「罵倒村」「デスキスゲーム」 「LIGHTHOUSE」DMMTV「インシデンツ」YouTube「NobrockTV」「BSノブロック」は総登録者300万人。 著作に「佐久間宣行のずるい仕事術」「ごきげんになる技術」など。レギュラー番組「勝手にテレ東批評」

収録レポート

イナズマフラッシュの収録レポートをお届けする本ページ。

 

今回は番組8人目のゲストとして、テレビプロデューサーの佐久間宣行さんをお招きして録音された、#71収録の様子をご紹介します。

佐久間さんとの対談も、8回目の今回でいよいよ最終回。

今回も恒例となった「ゲストと一緒に何か新しいことを企画する」というテーマから対談が始まります。すでに佐久間さんの頭の中にはさまざまな企画があったようで、すべてが実現可能で、かつ魅力的な企画が次々と飛び出す、圧巻のブレインストーミング回となりました。

まずは、佐久間さんご自身の真逆の存在として「視聴率のために酷いことをする、最低のダークヒーロープロデューサー」の漫画を作ってみたいというアイデア。さらに、芸人さんの設定力と、漫画家さんの作画・ストーリー力を組み合わせる企画も。芸人さんが考えた設定を基に漫画家さんがネームを描くという企画も生まれます。

圧巻だったのは、そこから派生したリアリティショーの企画。「1年半後に放送が決定している深夜ドラマ枠の原作漫画バトル」という、とてもキャッチーなアイデアです。現在、深夜ドラマの原作が枯渇しているという業界の背景を踏まえ、主演俳優や設定だけ決めた状態で漫画のオーディションを行うというもの。

テレビドラマの脚本は専門的であり、一般の視聴者には評価が難しいですが、漫画(あるいはネーム)であれば、『面白いか』『続きが読みたいか』を判断しやすくなります。

最初の3話分のネームだけでバトルさせ、連載会議とドラマ化のオーディションを同時に行ってしまう。そして、その打ち合わせの過程に佐久間さんや林さん、以前番組にも出演いただいた佐野亜裕美さんなどプロデューサーが付いて進めていく…という具体的なディテールまで話していく流れに。

番組冒頭から様々な企画が生まれ、佐久間さんの企画を落とし込む力を改めて体感する一幕となりました。

「機嫌のいいおじさん」を肯定するコンテンツを作りたいという佐久間さん。今の日本社会でおじさんと括られる層は、就職氷河期世代として常に厳しい競争に晒され、社会からは何かと風当たりが強い……。

ご自身と同じ氷河期世代が、上の世代からも下の世代からも挟まれ、ポジティブな未来像を描きにくくなっている現状を指摘。

「もっと機嫌よく、楽しく生きていいんだよ」というメッセージを届けたい。そのための具体的なアイデアとして、身近にいる楽しそうな一般のおじさんたちを紹介する『楽しいおじさん図鑑』や『楽しいおじさんステッカー』、彼らが集う店をマッピングした『楽しいおじさんマップ』の制作案が語られました。未来に明るいロールモデルがいない、という同世代の不安に応える、優しさに満ちた企画が印象的でした。

おじさんの肯定というテーマは、さらに食へと繋がっていきます。佐久間さんが提唱したのは、あえて一人ではなく「仲の良い2、3人で食べるご飯が一番うまい」という価値観を提示する、『孤独じゃないグルメ』という企画。実はYoutubeのサブチャンネルの隠れたテーマでもあるとか。

自身も複数の「おじさんグループLINE」を持ち、いつでもご機嫌に飯を食べてくれる仲間を召集できるというエピソードは、多忙な中でも豊かな人間関係を築いている佐久間さんだからこその説得力がありました。誰かと美味しいものを共有するささやかな幸福こそ、人生を豊かにしてくれるのかもしれません。


ここまで、実現可能性の高いアイデアの数々が共有されてきたことに対し、「プロデューサーをやりすぎて実現できることばかり思いついてしまう」と佐久間さん。無茶なことをやるのも考えたいと、『一人喋りで東京ドーム』という夢も飛び出します。

8回にわたる対談は、佐久間さんのクリエイターとしての思考の速さと深さはもちろん、人生を楽しむ姿勢が強く印象に残るものとなりました。エンディングで林さんが「刺激を受けました」と語っていたように、仕事もプライベートも全力で楽しむその姿は、多くの人にとっての「楽しいおじさん」のロールモデルそのものなのかもしれません。

次回は密かに人気沸騰中の林さん一人回をお送りします。

さらに次の対談ゲストが、ラッパーでクリエイティブディレクターのTaiTanさんに決定しました!

ヒップホップトリオ『Dos Monos』のメンバーでありながら、Podcast番組『奇奇怪怪』のパーソナリティを務めており、様々な施策でカルチャーの最先端を走り続けるTaiTanさん。蓮見さん回でもお話の中に登場しました。林さんも久々の再会ということで、二人がどんなトピックを掘り下げるのか今から非常に楽しみです!

 

ぜひ番組とこのホームページでお楽しみください。